go! Manchester 2011 day-5(10/23)

この旅の最大の目的、ダービーの日となった。 ランチタイムキックオフなので あまりゆっくりできない。 起きる時間を間違えるとアウトだ。 朝食を済ませ、トラムへ この日は水色の人を警戒しなくてはならない。 スタジアム方面のトラムが到着、 水色がいないことを確認して乗り込んだ。 社内には多少水色な人がいたが問題ないレベル。 まず、トラムを安全に乗り切った。 車両の集団が完全に通り過ぎてからスタジアム方面に歩いた。 ビデオカメラを回しながら歩きたいからだ。 (ここまで警戒しなくてもいいが安全対策にやり過ぎはない。) 露店を散策 去年のベッカムTが気に入っていたので 今年も買う事を決めていた。 カントナと「MANCHESTER IS RED」を購入各8ポンド この日は赤白マフラーだろうと思い、それも購入。10ポンド 道路を渡った露店をみるとTシャツが7ポンド、 マフラーも公式じゃないが5ポンドと割安。 ま、いいか。 去年のTシャツもここで買ったと思い出した。 ベルバトフだったお尻Tはギグスに変っていた。 ゴットファーザーファギーになっているのも面白かったが 着る機会がないと思いやめた。 露店まとめ映像 www.youtube.com 選手は2時間前、スタジアムに入る。 そこは前日のツアーではっきり言っていた。 ショップをスルーしてバックスタンドを通過、 ストレットフォードエンドを通過し選手入場口へ 去年は興奮のあまりビデオカメラのスイッチを入れ忘れたので 通行禁止になってから回しっぱなしにした。 白バイ先導でバス到着 当然最初に降りるのはファギー ルーニーも出てきた。 この時点でベンチを含めたメンバーを絞れる。 入り待ちを終了したころになると 各ゲートに警備員が配置されていた。 N45ゲートの前で待機 今日は騎馬警察が多い。5分毎にペアでやってきた。 ゲートで印刷した座席表と年会員カードを提示 スキャナにカードを読み込ませた。 ゲートをくぐり階段を上る。 目指すは最上段スタンド3段目 黙々と階段を上る。 到達した階はレベル8、 英国は2階からレベル1と呼ぶ、9階まで登ったことになる。 これには参った。 はずれ席と思っていたが、予想を覆すいい視点。 戦術マニアはこの席のほうが良いかも。 鹿島の2Bほど距離は近くはないが角度的には似ていた。 ストレットフォードエンドがよく見える。 反対側の角、シティーの連中は 屋根が邪魔して前のほうしか見えない。 スピーカーは設置してあるのに音が生きてない。 これは残念。 このスタジアムはビデオカメラにうるさい。 非常にうるさい。 試合中は回してはいけない。 チェルシー、ストークボルトン、去年行ったエバートン、 どこもこんなことで注意されなかった。 付近の警備員に警戒されるので試合開始直前までは まったく関係ないところでカメラを回した。 (去年怒鳴られた経験あり) 左隣の女性を盾にアップ時はカメラを回した。 もうすでに盗撮モード。 アップでスタメンがわかる。 なぜジョーンズを使わない?なぜチチャを使わない?? なぜあれだけ走れないアンデルソンを使う? 今日はダービー キャラクターも両手を上下し客を煽る ダービーだとしても客は直前まで入ってこない。 そういう文化なんだろう。 選手入場、ロッキーのサントラでボルテージは上がる。 チャントはU-N-I-T-E-Dが多い。というかそればかり 前半は攻めるユナイテッド、守るシティー。 攻めているというより戦術上 攻めさせられているといったところ 横の展開が多く、こねくり回しているだけで まったくフィニッシュできない。 コーナーからの展開で滑ったエヴァンス。 寄席切れなかったバロテッリがあっさり専制。 そこしかないコースをキッチリ決めた。 ただ、寄せていれば防げていた失点。 ぐたらない失点。 ここからシティーのスイッチが入る 爆発的に攻めてきてポゼッションは完全にひっくりかえる。 滑ったエヴァンス、今度はルーニーが折り返した決定機を空振り 軸足に当たって相手ボール。 またおまえか! 前半は0−1で終了まったく見せ場がなかった。 後半開始直後、カウンターを食らいバロテッリが独走 エヴァンスが引っ掛け退場。 またおまえか!! この時点で諦めがついた。 もうだめだ。 直後のFKは大丈夫だったが、この後2失点。 ダービーである。 守ることは許されない。 10人でもガンガン攻める。 中継では分かり辛いと思うが 両サイドがあがりっぱなしとか ありえないほどの前掛かりぶり カウンターを食らった時点で 広大なスペースが左右にあり、選択は自由自在 同人数でもわからないのに1人足りなくて 今のシティーを止める事など出来ない。 だが攻めの姿勢は崩さない。 ダービーだからであろう。 そんななか奇跡的な1点を返す。 中央に出来たスペースをフレッチャーがするすると上がり 縦回転をかけて上から巻いたシュートを放つ キーパーの指先を巻きゴール。 これには感動した。 0−3で1人少なくてたった一人で入れた。 だが感動はここまで 4点目が入ると精神の糸は切れ、 数分後には5点目、6点目と大崩れ 85年ぶりの大敗を目の前にした。 4点目で周囲の客が少しずつ帰り始め 6点目では皆立っていた。 それでも声を止めないストレットフォードエンド 暖かい。とても暖かい。 自分の価値観ならここでは押せない。 初日のゲンクも2日のテルアビブも最後まですごい声援だった。 (ボルトンは論外) サポーターとは何か再考しようと思う。 負けた悔しさより、 スタジアムからホテルまで安全に帰る方法を模索した。 歓喜のアウェー3千人、落胆のホーム7万2千人。 些細なことでトラブルに巻き込まれたくない。 9階からゆっくり階段を降りながら考えた。 去年入り待ちはしたが出待ちはしてない。 駅に急いだところで人が殺到しているし 皆イライラしている。 ここは出待ちと思い、帰る人を逆行し出待ちポイントへ移動した。 はじめは入り待ちと同じポイントに立ってしまい失敗 ただ、グレイザーが居るらしく、不満を持ったサポーターが大挙していた。 車を取り囲み罵声を浴びせていた。 それを正面で見ていた。 貴重な体験。 シティーのバスが目の前を塞いだ。 帰るときはバスの乗車口が逆になるのでタイミングを計って反対側に移動した。 シティーのバスが出発するまえにルーにーとデヘアが帰っていく。 スタジアム入りはバスで来るが帰りはスタッフが愛車をもってくる。 各選手の愛車がわかって面白い。 さすがに歴史的な大敗をしただけに手を振る選手は居ない。 まっすぐ愛車に乗って帰っていく。 そんな中、エブラが登場した。 ポケットに手を突っ込んで機嫌はよくない。 しかし、車に荷物を積んだ直後、その足はファンへ向いていた。 そこからサインしたり、一緒に写真を撮ったりしていた。 1−6の大敗の後にだ。 すばらしいものを見たような気がする。 その間、リオを含めたディフェンダー陣がきた。 エヴァンスもいたがすぐ愛車に乗って帰っていく。 そんな中、まだサインしているエブラ。 ワールドカップではいろいろあったが、この人の見方が根本的に変った。 すばらしい人である。 40分ぐらいかけて丁寧にサインしたエブラ。 車に戻る間、見ている人々はスタンディングオベーション 本人は「当然さ」という表情で片手を挙げた。すばらしい。 続いて出てきたのが唯一の得点者、フィレッチャー 同様に荷物を置くとまっすぐファンの元へ 写真は応じないもののサインを丁寧にしていく。 誰も飛ばさない。 出てきた手にすべて応じていた。 こちらも感心してみていたが だんだんこちらに近づいてくる。 人垣も突破できないくらいの厚さでないため 突破してみた。 バックからユニを取り出し手のひらを台にして差し出した。 ちゃんと書いてくれた。 筆圧が手のひらに伝わる。 これはこれでアリだ。 この2人が大敗の空虚な心を癒してくれた。 来て良かったと心から思える思い出が出来た。 出待ちは気づくと3時間を越えていて ショップも閉じていた。 買おうと思っていたものもあったが この思いでは買えない。 プライスレスなのだ。 エブラとフレッチに心を洗われ 駅へ向かった。 時間を置いたのですぐ乗れた。 ランチタイムキックオフだからこれだけ時間を取っても 夕方だし明るい。 安全にホテルに到着した。 85年ぶりの珍事 そしてマンチェスターのクラブの歴史転換点を目撃した。 ユナイテッドはこれで沈むことはない。 必ず、巻き返してくる。 ただ、シティーは途轍もない自信を手にした。 これからどう強大なクラブになるのか 間違いなくこれが転換点になると思う。 5日間で4試合という すばらしく濃厚な日程であった。 しばらくおなかいっぱいという感じだが マイルが切れる3年以内には必ず来る。 そのときにはどんな2チームになっているのか? 楽しみである。 シティーサポの大声が夜中中響いた。 それだけ大きな出来ことであった。